ケアブリーチがある理由
最終更新 on 2024年4月12日 by Kenji WEC Hair
前回のブログで、ケアブリーチの中身、髪を明るくする際のダメージについて書きましたが、ではなぜケアブリーチがあるのかについて書いていきます。
一回目はこちら↓
Contents
ヘアカラー、ブリーチってただ塗るだけじゃないんです
前回の最後でも書きましたが、ケアブリーチが要るのか要らないのかは美容師のスキルによるものだと思います。正直経験の少ない美容師さんがブリーチで失敗するところは今までたくさん見てきています。
僕も昔々…15年以上前にはあったことです。髪を綺麗に明るくしても時間がかかる事で必要以上にダメージがでる… これって成功したといえるのでしょうか?
ダメージが多くてもリクエスト通りの色が出て仕事として成功した、失敗したと考えるのは人の自由ですが、しっかりとした美容師であればもっとお客様の髪を綺麗にしたと考えるのが必然だと思います。
ケアブリーチがそんないらないダメージを減らすツールだとは思います。前にも書きましたが、新しい薬剤=良い薬剤ではないんです。
あくまでも薬剤の中身を理解して使うことが正しい事だと思っています。
早い仕事をしたらブロンドヘアーでも痛みが少なくなります
ブリーチを作る工場は世界で3カ国のみ
ちょっとケアブリーチとは異なりますが美容師さんも知っていて損がないような話です。ブリーチって国ごとに強さが違うと思いますか?
韓国は派手な髪をしている人が多いから韓国のブリーチは日本よりも強い!って思っている人もいるかもしれないのですが、ブリーチを作る工場は世界で3か国しかないんです。つまりブリーチは世界中で強さがほとんど変わりません。その3カ国はヨーロッパにあり、その国によって少し価格が変わるのとクオリティが違うので安いブリーチ剤は○○の国のブリーチとかになります。
前はそのブリーチを外側のパッケージを変えただけで売っていた(本当です)のですが、ケアブリーチなどにより、仕入れたブリーチをもう一度加工して各メーカーが違いをつけています。
先ほど話した韓国のほうがブリーチが強い!!って話ですが実際に日本以外の国のほうが色素を抜く力は強くて、その理由がブリーチに混ぜる過酸化水素液の濃度が日本以外の国のほうが濃いからなんです。
ついでに言うと過酸化水素液の濃度が低いのは世界で唯一日本だけです。 薬機法の関係で日本以外が使っている濃度を日本だけ使わせてくれないんです。 韓国から9%濃度の過酸化水素液仕入れたい…
ケアブリーチは売れる!!んです…
話を戻してもう一つ大きな理由として、ケアブリーチの方が売れる、単価が上がる、というのがあります。美容業界はそういうのが多くて、ちょっと前だとノンシリコンがありました。ノンシリコンシャンプーが良いとか言っている人が多かったのですが、今ノンシリコンじゃなきゃダメって言っている人はどれくらいいるのでしょうか?なんとなく流行っていて売れる素材を入れてみようってのが多いです。
補足するとケアブリーチが悪いわけではないんです。確かにちょっとした素材(ファイバー)が入っています。このちょっとした素材のせいですこーし色を抜く力が弱いです。その分技術のない美容師さんは助かっていると思います。
素材の追加により通常のブリーチ剤よりもケアブリーチは薬剤としての価格が高いです。そして美容院の方も値段を通常のブリーチよりもケアブリーチのほうが1000円程度上げているところが多いと思います。つまりメーカーも美容院も「売れる」わけです。
売上を伸ばすには良い材料ではありますね。
個人的にはこんな方法で仕事の値段を上げないで、仕事のスピードとクオリティを上げて多くのお客様を満足させれば良いとは思いますが、画像の編集や動画の編集、SNS踊ったりしている美容師さんには届かない言葉でしょうね… はぁ
でもブリーチしているのに髪の毛がツヤツヤなのはなぜ?
ケアブリーチの話を書きたかったことの一つとしてこれがあるのですが
○○さんの髪はブリーチもしているのに髪がツヤツヤなのはケアブリーチのおかげだ!!
って思われている方が多いと思いますがはっきり言いますがこれは薬剤のおかげではなくてその人の髪の強さ、僕らは「髪の体力」といいますが、それは人によって全く違います
「髪の体力」をゲームっぽく言うとHPという数字で表したら100の人もいれば500の人もいると思ってください。
上手い美容師さんはカラーにしてもブリーチにしてもパーマにしてもお客様の「髪の体力」をしっかり把握して、それで体力が残るように最小限のダメージで仕事で出来る人たちだと思っています。
この「髪の体力」の話はトリートメントにもつながるので次回にします。
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